Windows Server 2008 R2 へリモートデスクトップで接続した際に Aero グラス効果を有効にする
概要
Windows Server 2008 R2 へリモートデスクトップで接続すると通常はウインドウが透過しないスタイルで表示されます。ここではリモートデスクトップで接続した場合でも Windows Server 2008 R2 の Aero グラスを有効にする方法について説明します。
※今回の Tips では CAL の事前購入が必要になります。CAL がなくても試すことはできますが、使用期限が発生します。
動作環境
動作確認環境
Windows Server バージョン | Windows Server 2008 R2 DataCenter |
クライアント OS | Windows 7 Ultimate |
クライアントリモート接続ツール | リモート デスクトップ接続 Ver 6.1.7600 |
チップセット | モバイル インテル GM45 Express チップセット (Intel GMA X4500) |
その他 | Windows ユーザー CAL |
必須動作環境
Windows Server バージョン | Windows Server 2008 R2 |
クライアント OS バージョン | 下記のいずれか
|
クライアントリモート接続ツール | リモート デスクトップ接続 Ver 6.1.7600 |
グラフィック性能 | Aero グラスを有効にできるグラフィックボード、またはチップセット (クライアントとサーバー両方) |
その他 | RD ライセンスサーバーを建てるための Windows CAL |
内容
事前準備
リモートデスクトップで Aero グラスを有効にするにはまずサーバー自体が有効にできる環境にないといけません。サーバーを搭載している PC のグラフィックボードが Aero グラスに対応しているか確認してください(2009年時点の PC ではほとんど対応していると思います)。また、Windows Server 2008 R2 の標準グラフィックドライバでは Aero グラスが使えないので、別途ドライバをインストールしてください。
リモート デスクトップ サービスのインストール
リモートデスクトップによる接続で Aero グラスを有効にするには「リモート デスクトップ サービス」の役割をインストール必要があります。
タスクバーから「サーバー マネージャー」をクリックして開きます。
サーバー マネージャーが開いたら、左のツリーから「役割」を選択します。
役割が表示されたら、右から「役割の追加」をクリックします。
役割の追加ウィザードが表示されるので「次へ」をクリックします。
役割の一覧から「リモート デスクトップ サービス」にチェックを入れ「次へ」をクリックします。
「次へ」をクリックします。
役割サービスの選択で「リモート デスクトップ セッション ホスト」と「リモート デスクトップ ライセンス」にチェックを入れ「次へ」をクリックします。
「次へ」をクリックします。
ここでネットワークレベルの認証について設定します。お使いの環境に合わせて設定してください。この Tips では認証可能なリモート デスクトップ接続クライアントしか使用していませんので「ネットワーク レベル認証を必要とする」にチェックを入れています。
ライセンスの認証に必要な CAL の種類について設定します。CAL の使用方法に合わせて設定してください。まだ決まっていない場合は「後で構成」にチェックします。
リモート デスクトップ セッション ホスト サーバーへアクセスできるユーザー、またはグループを選択します。デフォルトでは「Administrators」のみ指定されています。必要であれば追加してください。
Aero を有効にするには「デスクトップ コンポジション」にチェックを入れます。残りの2つについては任意にチェックをいれてかまいません。
特に構成しないので「次へ」をクリックします。
内容を確認したら「インストール」ボタンをクリックしてインストールを開始します。
インストールが完了するまで待ちます。
インストールが完了したら「閉じる」ボタンをクリックします。
再起動を促されるので「はい」をクリックして再起動します。
再起動が完了するとウィザードが表示されるので閉じるボタンで閉じます。
RD ライセンスサーバーのセットアップ
リモート デスクトップ サービスを継続的に使用するには RD ライセンスサーバーを建てる必要があります。また、ライセンスサーバーを建てるには CAL が必要であることにも注意してください。ただし、有効期間内であれば、ライセンスサーバーがなくても Aero を有効にすることは可能です。
ライセンスサーバーのセットアップを行うには、スタートメニューから「管理ツール」→「リモート デスクトップ サービス」→「リモート デスクトップ ライセンス マネージャー」を選択します。
RD ライセンス マネージャーが開いたら、左のツリーから「すべてのサーバー」の直下にある自身のサーバーを右クリックします。表示されたメニューから「サーバーのアクティブ化」を選択します。
サーバーのアクティブ化ウィザードが表示されるので「次へ」をクリックします。
ライセンス認証のための接続方法を選択します。お持ちの CAL、または CAL の取得方法に合わせて選択してください。
この項目は後で変更することが可能です。
各項目を入力してください。すべて入力必須項目です。
これらの項目は後で変更可能です。
これらの項目については必須ではありませんので、未入力でもかまいません。
これらの項目は後で変更可能です。
「ライセンスのインストール ウィザードを開始する」にチェックを入れるとそのままライセンスの認証ウィザードに遷移します。
ライセンスのインストールウィザードが開始します。中央のライセンス サーバーの設定の内容を確認して「次へ」をクリックしてください。ここから先は接続方法やライセンス プログラムによって入力内容が変わるので、各自ウィザードに従って設定してください。
もし接続方法などを間違って設定してしまった場合などは、一度ウィザードを抜けた後、RD ライセンス マネージャーのサーバーを右クリック、表示メニューの「プロパティ」から変更できます。
また、再度ライセンスのインストールを行いたい場合は同様にメニューから「ライセンスのインストール」を選択します。
ライセンス認証後、登録した CAL が表示されていればライセンス認証完了です。
リモート デスクトップ サービスで使用するライセンスサーバーの指定
続いてリモート デスクトップ サービスが継続して使用できるようにライセンスサーバーを指定するようにします。
スタートメニューから「管理ツール」→「リモート デスクトップ サービス」→「リモート デスクトップ セッション ホストの構成」を選択します。
リモート デスクトップ セッション ホストの構成のウインドウが開いたら、左のツリーから「RD セッション ホストの構成」を選択し、中央の「ライセンス」の項目を右クリックして「プロパティ」を選択します。
警告ダイアログが表示されますが、そのまま「閉じる」ボタンをクリックして閉じます。
プロパティダイアログが表示されたら「ライセンス」タブを選択し、ライセンスサーバーの「追加」ボタンをクリックします。
ライセンス サーバーの追加ダイアログが表示されているので「既知のライセンス サーバー」から先ほど登録したサーバーを選択し、「追加」ボタンをクリックします。「指定されたライセンス サーバー」にサーバーが追加されたら「OK」ボタンをクリックして閉じます。
「指定されたライセンス サーバー」にサーバーが追加されたら完了です。OKボタンを押してダイアログを閉じてください。
「ライセンス診断」を選択し、右図の赤枠のところが緑色のチェックマークになっていればOKです。
Aero グラスの有効化
最後にサーバーのデスクトップを Aero グラスに変更します。デスクトップを右クリックし、「個人設定」を選択します。
Aero テーマを選択するとウインドウやタスクバーが Aero のテーマに変更されます。すでにリモートデスクトップで接続している場合は半透明が有効にならないので再接続してください。
リモートデスクトップで接続する
クライアントからサーバーに接続して操作するには「リモート デスクトップ接続」を使用します。スタートメニューから「アクセサリ」→「リモート デスクトップ接続」を選択してください。
リモートデスクトップ接続の画面が出たら「オプション」をクリックします。
タブから「エクスペリエンス」をクリックして「デスクトップ コンポジション」にチェックをいれて接続します。これでリモートでも Aero グラス環境で Windows Server 2008 R2 を使用することができます。