Windows Server バックアップで OS 全体をバックアップする
概要
Windows Server 2008 以降で提供されている機能「Windows Server バックアップ」を使って OS 全体のドライブをバックアップ、またリストアの方法について説明します。
動作環境
動作確認環境
Windows Server バージョン | Windows Server 2008 R2 DataCenter |
CPU | Core i5 i5-540M 2.53GHz L3 3MB 64bit対応 VT対応 |
メモリ | 8GB (4GB DDR3-1066 × 2) |
HDD | 750GB Serial-ATA 5400rpm 8MB |
NIC | 1つ (Gigabit LAN) |
チップセット | モバイル インテル GM45 Express チップセット |
バックアップ先ストレージ | HD-PE640U2 |
必須動作環境
Windows Server バージョン |
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内容
Windows Server バックアップの事前準備
Windows Server バックアップを行うにはバックアップデータをどこかのストレージに保存できるようにしておかなければいけません。場所としては「ローカル ドライブ」「リモート共有フォルダ―」を指定できます。USB で接続した外付けHDD などはローカルドライブとして認識されます。
今回の例では USB 接続型の外付け HDD にバックアップするようにしています。ローカルドライブの「D:」として認識されます。バックアップ先ディスクは OS で使用している全体のディスクサイズよりも大きいサイズを用意しましょう。
また、今回バックアップ先に指定したストレージは完全にバックアップ専用領域になることに注意してください。
Windows Server バックアップのインストール
Windows Server バックアップを使いにはインストールを行う必要があります。インストールについては Windows Server の機能としてすでに組み込まれているので、別途ダウンロードする必要などはありません。
タスクバーの「サーバー マネージャー」を起動します。
サーバー マネージャーが開いたら左のツリーから「機能」を選択し、右のエリアから「機能の追加」をクリックします。
「機能の追加ウィザード」ダイアログが表示されたら中央の一覧から「Windows Server バックアップの機能」→「Windows Server バックアップ」にチェックを入れます。
「次へ」ボタンをクリックします。
「インストール」ボタンをクリックします。
インストールが完了したら「閉じる」ボタンをクリックします。OS の再起動を要求された場合は再起動してください。
スタートメニューの「管理ツール」フォルダの中に「Windows Server バックアップ」が追加されているのでクリックして起動します。
Windows Server バックアップのウインドウが表示されます。
バックアップのスケジュール
バックアップのスケジュールを作成するにはウインドウ右の操作エリアにある「バックアップ スケジュール」をクリックします。
「バックアップ スケジュール ウィザード」が表示されるので「次へ」ボタンをクリックします。
「バックアップの構成の選択」画面が表示されたら「サーバー全体」を選択します。もし個別にファイルなどをバックアップしたい場合は「カスタム」を選択します。ここではカスタムについては触れません。
「バックアップの時間の指定」ではいつバックアップを行うかを指定します。常に起動しているPCの場合はあまり稼働していない時間帯を指定しましょう。起動とシャットダウンを繰り返す PC の場合は常に起動していると思われる時間を指定しておきますが、PC の運用に合わせて設定してください。
今回は外付けHDDにバックアップするので「バックアップ専用のハードディスクにバックアップする」を選択しています。これを指定した場合は指定したストレージが完全にバックアップ専用領域になることに注意してください。
他の場所にバックアップする場合は場所に応じて選択してください。保存する場所によって挙動が変わるので画面の説明文を読んで確認してください。
「作成先ディスクの選択」でバックアップ先のストレージにチェックを入れます。
バックアップは全ドライブを対象としているため、USBで接続したドライブもバックアップ対象となっています。バックアップ先になっているため対象から外すという警告が表示されますので「OK」ボタンをクリックします。
バックアップ先ストレージを再フォーマットして保存専用ディスクにするという確認ダイアログが表示されるので「はい」を選択します。
すべての設定を確認したら「完了」をクリックします。
作成が完了したら「閉じる」ボタンをクリックします。
スケジュールが作成されたことを確認できます。あとは指定した時間になれば自動的にバックアップが開始されます。
バックアップにかかる時間はディスクサイズの量、ネットワーク、ストレージ媒体のスペック、バックアップの回数、差分量など様々な要因によって決定されます。
バックアップの手動実行
バックアップを手動で行う場合は、ウインドウの右にある操作エリアから「バックアップ(1回限り)」をクリックします。
「バックアップ(1回限り)ウィザード」が表示されます。すでにスケジュールを組んでいる場合は「スケジュールされたバックアップのオプション」を選択すると簡単にバックアップを実行することができます。
スケジュールがない場合は「別オプション」を選択して各オプションを設定してバックアップします。設定内容はスケジュールを策せ薄るときとほとんど同じです。
スケジュールのオプションを選択した場合はすぐにバックアップを開始できます。
バックアップが開始されたら終了するまで待ちます。あとは自動的に完了まで行ってくれるので、「閉じる」ボタンを押してウインドウを閉じても構いません。
バックアップにかかる時間はディスクサイズ、ネットワーク、ストレージ媒体のスペック、バックアップの回数、差分量など様々な要因によって決定されます。
バックアップが完了したら「閉じる」ボタンを押して終了します。
Windows Server バックアップの画面ではバックアップを行った時刻を確認できます。
バックアップスケジュールの削除
作成したバックアップスケジュールを削除するにはウインドウの右にある操作エリアから「バックアップ スケジュール」をクリックします。
「バックアップ スケジュール ウィザード」が表示されたら「バックアップを停止する」にチェックをれ「次へ」をクリックします。
バックアップ先ディスクが表示されるので「完了」ボタンをクリックします。
「はい」を選択します。
スケジュールが削除されます。
バックアップ先に指定したディスクは解放され通常のストレージデバイスとして使用できるようになります。バックアップファイルは削除されていないのでそのままバックアップデータとして残しておくか、手動で削除してください。
バックアップデータからの回復
バックアップしたデータから特定のファイルやアプリケーションなどを戻したい場合はウインドウの右にある操作エリアから「回復」を選択します。
スケジュールでバックアップしているデータがあれば「このサーバー」にチェックをしてスケジュールでバックアップしているデータから回復できます。まったく別にバックアップデータがある場合は「別の場所に保存されているバックアップ」を選択してください。
バックアップから回復する元データの日時を選択します。通常は最後にバックアップした日時が選択されているのでそのままで問題ありませんが、過去のバックアップデータから回復したい場合は適時選択して下さい。
回復する項目を選択します。ファイルやフォルダ―を回復したい場合は「ファイルおよびフォルダ―」、システム以外のボリュームを一括で回復されたい場合は「ボリューム」、特定のアプリケーションを回復したい場合は「アプリケーション」、システム状態のみを回復する場合は「システム状態」を選択してください。
「ファイルおよびフォルダ―」を選択した場合はフォルダーを選択してバックアップしていた状態に戻すことができます。
回復する際にいくつかのオプションを指定できます。必ずしも同じ場所に戻さなければいけないということはありません。
もとに戻すフォルダ、ファイルを選択したら「回復」ボタンを押して戻すことができます。
アプリケーションを選択した場合は、回復可能なアプリケーション一覧が表示されます。この項目はアプリケーションに応じて操作が異なるので必要に応じて確認してください。
ボリュームを選択した場合はシステムドライブ以外は一括で戻せますが、Windows システムのあるドライブについてはこの方法では戻すことができません。システムドライブの一括回復については次の「システムボリュームの回復」を参照してください。
システム状態を選択した場合は、元の場所に回復するか別の場所に回復するかを指定できます。
システムボリュームの回復
システムボリュームをバックアップデータから回復するには Windows Server のインストーラーディスクから操作を行う必要があります。
あらかじめバックアップディスクには接続できる状態にしておいてください。今回はバックアップスケジュールでバックアップしたデータを USB の外付けHDD に保存しているものとして説明しています。
Windows Server のインストールディスクからブートしたらインストールウィザードを進めます。
ここで「今すぐインストール」をクリックせずにウインドウ右下の「コンピューターを修復する」をクリックします。
すでにバックアップデータがあり、接続されている状態なので「以前に作成したシステム イメージを使用してコンピューターを復元します」を選択して「次へ」をクリックします。
バックアップした場所や媒体によっては手順が異なる場合がありますので適時対応してください。
バックアップディスクが認識されている場合は「利用可能なシステム イメージのうち最新のものを使用する」にチェックを入れます。
そのまま完全な形で復元する場合はそのまま「次へ」ボタンをクリックします。
回復内容を確認したら「完了」ボタンをクリックします。
回復先のデータはすべて消去されてしまいますのでそのまま実行する場合は「はい」を選択します。
イメージの再適用が開始されますので、完了するまで待ちます。
再適用が完了したら再起動を行います。あとは通常通り起動しバックアップ時点の状態に復元されているか確認してください。