Xファイルを読み込んでモデルを表示
現在表示しているページは選択中の表示言語には対応しておりません。
概要
Xファイル(.x)からモデルデータを読み込んで表示させています。
動作環境
必須環境
対応 XNA バージョン |
|
対応プラットフォーム |
|
Windows 必須頂点シェーダ バージョン | 2.0 |
Windows 必須ピクセルシェーダ バージョン | 2.0 |
動作確認環境
プラットフォーム |
|
内容
Xファイルとは
Xファイルとは位置情報や法線情報などを持った頂点データ、テクスチャーの参照パス、フレーム、アニメーションデータなどを一つにまとめ、モデルデータとして使用することができるファイルです。モデルデータを含むファイルは他にも沢山ありますが、Xファイルは DirectX9 まで標準のモデルデータとして使用されており、XNA でも標準フォーマットとしてサポートされています。
Xファイルを使用すると、プログラムで直接頂点データを構築する手間が省け、非常に簡略化したコードの記述で複雑なモデルの形状を描画することが可能になります。データ自体は Xファイルに記述されるので、形状が変わったとしてもプログラムは変更しなくてもよくなるという利点があります。
Xファイルなどのモデルデータファイルは主に「モデリングソフト」で制作してファイルを出力することになります。私は主に「Metasequoia(メタセコイア)」というモデリングソフトを使用しており、シェアウェア版とフリーウェア版がありますが、フリーウェア版でもXファイルが出力できるのでお勧めです。フリーウェアでXファイルを出力できる数少ない日本語版のソフトです。
今回は下のような簡単なモデルを作成して Xファイルとして出力しています。
出力すると下のようなファイルになります。今回は「Model.x」という名前で使用します。
Xファイルをコンテンツに登録
作成したXファイルを、プロジェクトの「Content」フォルダに追加します。追加の仕方は「リソース(コンテンツ)の読み込み」を参照してください。
フィールド
Xファイルからデータを読み込んで表示を行うには「Model」クラスを使用します。Model クラスにはモデルの表示に必要な「頂点バッファ」「インデックスバッファ」「エフェクト」「テクスチャー」などがすべて含まれているので、これ一つだけ用意すればOKです。
<summary>
モデル
</summary>
private Model model = null;
モデルの読み込み
モデルデータは「Game.LoadContent」メソッド内で「ContentManager」から読み込みます。テクスチャーやフォントなどを読み込む方法と同じです。アセット名は「Model」として登録してあります。
// モデルを作成
this.model = this.Content.Load<Model>("Model");
パラメータの設定
今回パラメータが常に変化しないので、モデルデータを読み込んだ後すぐに設定しています。もし、常にモデルの位置が変わったり、カメラの設定が変わるのであれば、Game.Draw メソッド内で設定することになると思います。
// 今回はパラメータをあらかじめ設定しておく
foreach (ModelMesh mesh in this.model.Meshes)
{
foreach (BasicEffect effect in mesh.Effects)
{
// デフォルトのライト適用
effect.EnableDefaultLighting();
// ビューマトリックスをあらかじめ設定 ((9, 9, 9) から原点を見る)
effect.View = Matrix.CreateLookAt(
new Vector3(9.0f, 9.0f, 9.0f),
Vector3.Zero,
Vector3.Up
);
// プロジェクションマトリックスをあらかじめ設定
effect.Projection = Matrix.CreatePerspectiveFieldOfView(
MathHelper.ToRadians(45.0f),
(float)this.GraphicsDevice.Viewport.Width /
(float)this.GraphicsDevice.Viewport.Height,
1.0f,
100.0f
);
}
}
ひとつの「Model」には複数のメッシュが含まれている場合があるので「Model.Meshes」で列挙してすべてのメッシュに設定するようにしています。
また、ひとつの「ModelMesh」には複数のエフェクトが含まれている場合があるので「ModelMesh.Effects」で列挙してすべてのエフェクトに設定するようにしています。
ここでは、デフォルトのライトの設定、ビューマトリックス、プロジェクションマトリックスを事前に設定しています。
描画
モデルの描画はいたって簡単で、「ModelMesh.Draw」メソッド一つで描画することができます。メッシュ単位で描画することになるので、「Model.Meshes」ですべてのメッシュを列挙して描画するようにしています。
// モデルを描画
foreach (ModelMesh mesh in this.model.Meshes)
{
mesh.Draw();
}
ModelMesh.Draw
メソッド
設定済みのエフェクトを使用して各 ModelMeshPart を描画します。
全コード
using System;
using System.Collections.Generic;
using System.Linq;
using Microsoft.Xna.Framework;
using Microsoft.Xna.Framework.Audio;
using Microsoft.Xna.Framework.Content;
using Microsoft.Xna.Framework.GamerServices;
using Microsoft.Xna.Framework.Graphics;
using Microsoft.Xna.Framework.Input;
using Microsoft.Xna.Framework.Media;
#if WINDOWS_PHONE
using Microsoft.Xna.Framework.Input.Touch;
#endif
namespace XFile
{
<summary>
ゲームメインクラス
</summary>
public class GameMain : Microsoft.Xna.Framework.Game
{
<summary>
グラフィックデバイス管理クラス
</summary>
private GraphicsDeviceManager graphics = null;
<summary>
スプライトのバッチ化クラス
</summary>
private SpriteBatch spriteBatch = null;
<summary>
モデル
</summary>
private Model model = null;
<summary>
GameMain コンストラクタ
</summary>
public GameMain()
{
// グラフィックデバイス管理クラスの作成
this.graphics = new GraphicsDeviceManager(this);
// ゲームコンテンツのルートディレクトリを設定
this.Content.RootDirectory = "Content";
#if WINDOWS_PHONE
// Windows Phone のデフォルトのフレームレートは 30 FPS
this.TargetElapsedTime = TimeSpan.FromTicks(333333);
// バックバッファサイズの設定
this.graphics.PreferredBackBufferWidth = 480;
this.graphics.PreferredBackBufferHeight = 800;
// フルスクリーン表示
this.graphics.IsFullScreen = true;
#endif
}
<summary>
ゲームが始まる前の初期化処理を行うメソッド
グラフィック以外のデータの読み込み、コンポーネントの初期化を行う
</summary>
protected override void Initialize()
{
// TODO: ここに初期化ロジックを書いてください
// コンポーネントの初期化などを行います
base.Initialize();
}
<summary>
ゲームが始まるときに一回だけ呼ばれ
すべてのゲームコンテンツを読み込みます
</summary>
protected override void LoadContent()
{
// テクスチャーを描画するためのスプライトバッチクラスを作成します
this.spriteBatch = new SpriteBatch(this.GraphicsDevice);
// モデルを作成
this.model = this.Content.Load<Model>("Model");
// 今回はパラメータをあらかじめ設定しておく
foreach (ModelMesh mesh in this.model.Meshes)
{
foreach (BasicEffect effect in mesh.Effects)
{
// デフォルトのライト適用
effect.EnableDefaultLighting();
// ビューマトリックスをあらかじめ設定 ((9, 9, 9) から原点を見る)
effect.View = Matrix.CreateLookAt(
new Vector3(9.0f, 9.0f, 9.0f),
Vector3.Zero,
Vector3.Up
);
// プロジェクションマトリックスをあらかじめ設定
effect.Projection = Matrix.CreatePerspectiveFieldOfView(
MathHelper.ToRadians(45.0f),
(float)this.GraphicsDevice.Viewport.Width /
(float)this.GraphicsDevice.Viewport.Height,
1.0f,
100.0f
);
}
}
}
<summary>
ゲームが終了するときに一回だけ呼ばれ
すべてのゲームコンテンツをアンロードします
</summary>
protected override void UnloadContent()
{
// TODO: ContentManager で管理されていないコンテンツを
// ここでアンロードしてください
}
<summary>
描画以外のデータ更新等の処理を行うメソッド
主に入力処理、衝突判定などの物理計算、オーディオの再生など
</summary>
<param name="gameTime">このメソッドが呼ばれたときのゲーム時間</param>
protected override void Update(GameTime gameTime)
{
// Xbox 360 コントローラ、Windows Phone の BACK ボタンを押したときに
// ゲームを終了させます
if (GamePad.GetState(PlayerIndex.One).Buttons.Back == ButtonState.Pressed)
{
this.Exit();
}
// TODO: ここに更新処理を記述してください
// 登録された GameComponent を更新する
base.Update(gameTime);
}
<summary>
描画処理を行うメソッド
</summary>
<param name="gameTime">このメソッドが呼ばれたときのゲーム時間</param>
protected override void Draw(GameTime gameTime)
{
// 画面を指定した色でクリアします
this.GraphicsDevice.Clear(Color.CornflowerBlue);
// モデルを描画
foreach (ModelMesh mesh in this.model.Meshes)
{
mesh.Draw();
}
// 登録された DrawableGameComponent を描画する
base.Draw(gameTime);
}
}
}