半透明の文字を表示する
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概要
テキストを半透明で表示させます。
動作環境
必須環境
対応 XNA バージョン |
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対応プラットフォーム |
|
Windows 必須頂点シェーダ バージョン | 2.0 |
Windows 必須ピクセルシェーダ バージョン | 2.0 |
動作確認環境
プラットフォーム |
|
内容
SpriteBatch.DrawString メソッドで指定する Color 構造体に不透明度 0.0~1.0 をかけることによりテキストを半透明で描画させることができます。Color 構造体のプロパティにすでに定義されている色のほとんどは不透明で設定されていまずので不透明度をかけることによって半透明にすることができます。
// 半透明の文字(75%)
this.spriteBatch.DrawString(this.font,
"Draw transparent text. (75%)",
new Vector2(50.0f, 100.0f), Color.White * 0.75f);
Color
コンストラクタ
色を設定します。0.0~1.0 による float 指定のコンストラクタもあります。
r | byte | 赤の色を 0~255 で指定します。 |
g | byte | 緑の色を 0~255 で指定します。 |
b | byte | 青の色を 0~255 で指定します。 |
a | byte | 不透明度(アルファ成分)を 0~255 で指定します。 |
ちなみにスプライトの半透明カラーの指定方法は XNA Framework 4.0 から変更されており、XNA Framewrok 3.1 以前で使用されていた「new Color(255, 255, 255, 192)
」のような形式で指定するには SpriteBatch のブレンドステートを「BlendState.NonPremultiplied」で指定する必要があります。
// スプライトの描画準備
this.spriteBatch.Begin(SpriteSortMode.Deferred, BlendState.NonPremultiplied);
// 半透明の文字(75%)
this.spriteBatch.DrawString(this.font,
"Draw transparent text. (75%)",
new Vector2(50.0f, 100.0f), new Color(255, 255, 255, 192));
ただし、出力される色の計算式が変更されているため、文字の淵の部分が黒ずんだ状態で表示されてしまいます。
出力される色について
先ほどの Tips では2つのブレンドパターンによるテキストの半透明表示を例に出しました。一方は期待した通りに綺麗な半透明テキストが表示されました。もう一方はテキストの淵が黒ずんでしまいました。これは使用するブレンドステートによって色を出力するための計算式が異なるためです。
式のパラメータを
- result : 最終的に出力する色
- source : 描画しようとしているテクスチャーの色
- destination : 描画先の背景色
- rgba : それぞれ r(赤), g(緑), b(青), a(アルファ(不透明度))の成分
と、定義したとして2つのブレンドステートによる計算式は以下のようになります。
- BlendState.AlphaBlend (null の既定値) (乗算済みアルファ)
- result = source.rgb + destination.rgb * (1 - source.a) // ただし、source.rgb についてはすでにアルファ適用済みの値とする
- BlendState.NonPremultiplied (補間アルファ)
- result = source.rgb * source.a + destination.rgb * (1 - source.a)
実はこの計算式で求めた場合、どちらも result の値が同じになります。しかし、バイリニアフィルタリングなどを使用した場合、ピクセルシェーダで隣接したピクセルと色補間されたあとに上記の計算が行われるため、最終的な出力結果が異なってくるのです。
ためしに計算をしてみたいと思います。文字の色を白(Color.White)とした場合、文字の表示されているピクセルの各色要素は(r:255, g:255, b:255, a:255)となります。文字が表示されていないピクセルは(r:0, g:0, b:0, a:0)となります。テキストを 50% で半透明にし、この2つのピクセルの中間値と補間した場合(要は文字の淵)、上記の2つの式ではどのように結果が変わってくるのでしょうか。
ちなみに背景色は (r:0, g:0, b:255, a:255) とします。(白テキスト、青背景で計算を行います)
BlendState.AlphaBlend による補間 (乗算済みアルファ)
あらかじめ、文字の色の各要素に対してアルファをかけるのでテキストの色は 255 を半分にして (r:128, g:128, b:128, a:128) となります(「Color.White * 0.5f」の部分)。文字が表示されていないピクセルについてはそのまま (r:0, g:0, b:0, a:0) となります。
ブレンドステートによる背景色との計算の前にバイリニアフィルタによる計算式が行われるので、文字の淵の色は (r:128, g:128, b:128, a:128) と (r:0, g:0, b:0, a:0) の中間値である (r:64, g:64, b:64, a:64) となります。
ここで式
- result = source.rgb + destination.rgb * (1 - source.a)
に当てはめると、
- result = (r:64, g:64, b:64) + (r:0, g:0, b:255) * (1 - 0.25) // 0.25 は a:64 が a:255 に対して 25% であることを示します
となり、最終的な背景色との合成色は (r:64, g:64, b:255) となります。
BlendState.NonPremultiplied による補間 (補間アルファ)
文字の色はそのまま白(r:255, g:255, b:255)とし、アルファのみを半分にして半透明にするので、文字が表示されているピクセルの値は (r:255, g:255, b:255, a:128) となります(new Color(255, 255, 255, 128) の部分)。文字が表示されていないピクセルについては変わらず (r:0, g:0, b:0, a:0) となります。
ブレンドステートによる背景色との計算の前にバイリニアフィルタによる計算式が行われるので、文字の淵の色は (r:255, g:255, b:255, a:128) と (r:0, g:0, b:0, a:0) の中間値である (r:128, g:128, b:128, a:64) となります。
ここで式
- result = source.rgb * source.a + destination.rgb * (1 - source.a)
に当てはめると、
- result = (r:128, g:128, b:128) * 0.25 + (r:0, g:0, b:255) * (1 - 0.25)
となり、最終的な背景色との合成色は (r:32, g:32, b:224) となります。
考察
背景色が (r:0, g:0, b:255) であるため、BlendState.AlphaBlend による補間の場合 (r:64, g:64, b:255) となり、背景色の色素を損なわずに文字の透明色を綺麗に表現できています。しかし BlendState.NonPremultiplied による補間の場合は (r:32, g:32, b:224) となっており、青成分が背景色よりも暗くなっているため、文字の淵が黒ずんだように表示されてしまうのです (もちろん
Red, Green が BlendState.AlphaBlend よりも暗くなっているのも要因です)。
この XNA Framework 4.0 から既定となった乗算済みアルファについてはブログ「ひにけに XNA」で詳しく説明されているので、もっと詳しく知りたい方は下記のリンク先を参照してください。あちらでは白の背景色に対して赤の要素を描画した場合の例として説明されています。
全コード
using System;
using System.Collections.Generic;
using System.Linq;
using Microsoft.Xna.Framework;
using Microsoft.Xna.Framework.Audio;
using Microsoft.Xna.Framework.Content;
using Microsoft.Xna.Framework.GamerServices;
using Microsoft.Xna.Framework.Graphics;
using Microsoft.Xna.Framework.Input;
using Microsoft.Xna.Framework.Media;
#if WINDOWS_PHONE
using Microsoft.Xna.Framework.Input.Touch;
#endif
namespace TransparentText
{
<summary>
ゲームメインクラス
</summary>
public class GameMain : Microsoft.Xna.Framework.Game
{
<summary>
グラフィックデバイス管理クラス
</summary>
private GraphicsDeviceManager graphics = null;
<summary>
スプライトのバッチ化クラス
</summary>
private SpriteBatch spriteBatch = null;
<summary>
スプライトでテキストを描画するためのフォント
</summary>
private SpriteFont font = null;
<summary>
GameMain コンストラクタ
</summary>
public GameMain()
{
// グラフィックデバイス管理クラスの作成
this.graphics = new GraphicsDeviceManager(this);
// ゲームコンテンツのルートディレクトリを設定
this.Content.RootDirectory = "Content";
#if WINDOWS_PHONE
// Windows Phone のデフォルトのフレームレートは 30 FPS
this.TargetElapsedTime = TimeSpan.FromTicks(333333);
// バックバッファサイズの設定
this.graphics.PreferredBackBufferWidth = 480;
this.graphics.PreferredBackBufferHeight = 800;
// フルスクリーン表示
this.graphics.IsFullScreen = true;
#endif
}
<summary>
ゲームが始まる前の初期化処理を行うメソッド
グラフィック以外のデータの読み込み、コンポーネントの初期化を行う
</summary>
protected override void Initialize()
{
// TODO: ここに初期化ロジックを書いてください
// コンポーネントの初期化などを行います
base.Initialize();
}
<summary>
ゲームが始まるときに一回だけ呼ばれ
すべてのゲームコンテンツを読み込みます
</summary>
protected override void LoadContent()
{
// テクスチャーを描画するためのスプライトバッチクラスを作成します
this.spriteBatch = new SpriteBatch(this.GraphicsDevice);
// フォントをコンテンツパイプラインから読み込む
this.font = this.Content.Load<SpriteFont>("Font");
}
<summary>
ゲームが終了するときに一回だけ呼ばれ
すべてのゲームコンテンツをアンロードします
</summary>
protected override void UnloadContent()
{
// TODO: ContentManager で管理されていないコンテンツを
// ここでアンロードしてください
}
<summary>
描画以外のデータ更新等の処理を行うメソッド
主に入力処理、衝突判定などの物理計算、オーディオの再生など
</summary>
<param name="gameTime">このメソッドが呼ばれたときのゲーム時間</param>
protected override void Update(GameTime gameTime)
{
// Xbox 360 コントローラ、Windows Phone の BACK ボタンを押したときに
// ゲームを終了させます
if (GamePad.GetState(PlayerIndex.One).Buttons.Back == ButtonState.Pressed)
{
this.Exit();
}
// TODO: ここに更新処理を記述してください
// 登録された GameComponent を更新する
base.Update(gameTime);
}
<summary>
描画処理を行うメソッド
</summary>
<param name="gameTime">このメソッドが呼ばれたときのゲーム時間</param>
protected override void Draw(GameTime gameTime)
{
// 画面を指定した色でクリアします
this.GraphicsDevice.Clear(Color.CornflowerBlue);
// スプライトの描画準備
this.spriteBatch.Begin();
// 通常の文字
this.spriteBatch.DrawString(this.font,
"Draw normal text.",
new Vector2(50.0f, 50.0f), Color.White);
// 半透明の文字(75%)
this.spriteBatch.DrawString(this.font,
"Draw transparent text. (75%)",
new Vector2(50.0f, 100.0f), Color.White * 0.75f);
// 半透明の文字(50%)
this.spriteBatch.DrawString(this.font,
"Draw transparent text. (50%)",
new Vector2(50.0f, 150.0f), Color.White * 0.5f);
// 半透明の文字(25%)
this.spriteBatch.DrawString(this.font,
"Draw transparent text. (25%)",
new Vector2(50.0f, 200.0f), Color.White * 0.25f);
// スプライトの一括描画
this.spriteBatch.End();
// 登録された DrawableGameComponent を描画する
base.Draw(gameTime);
}
}
}