概要

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本ソフトは、作成された3Dモデルにボーンを付け加えてモデルの各部分を操作することにより、バリエーションに富んだ表現を実現可能にします。さらにアニメーションとして登録することにより、リアルタイムでモデルに動きをつけることが出来ます。  また、スキンアニメーション付きXファイル(シェア版のみ)やエルフレイナ拡張モデルファイルに出力することにより、ゲームなどでアニメーションモデルを使用することも出来ます。

イメージ

読み込めるモデルデータは「メタセコイアファイル」「Xファイル」「エルフレイナ拡張モデルファイル」

MQOファイルを読み込む場合に、メタセコイアで追加設定は基本的にいりません。すべてこのソフトで細かい設定を行うようになっています。  また、メタセコイアで設定している「スムージング」効果を適用することができるので、面を滑らかに見せたり、角ばらせたりすることができます。「透過マップ」による半透明表示も可能です。

※「メタセコイア」とはO.Mizno氏が開発しているモデリングソフトです。LE版(フリー)と通常版(シェア)がございます。([ホームページ] http://www.metaseq.net

一応 Xファイルも読み込むことはできますが、MQOファイルのほうがオブジェクト単位で管理できるので、こちらをお勧めします。(もちろん Xファイルでもアニメーションは可能です。)

ファイルの種類によって下のような特徴があります。

  MQO ファイル X ファイル ELEM ファイル
複数メッシュ管理 あり なし あり
ファイルサイズ

(モデルデータのみ)
小さい 大きい 普通
モデルデータ読み込みスピード

(エルフレイナの場合)
遅い 早い 早い

※アニメーション付きXファイルを読み込んでも、通常のXファイルとして扱われます。
※メタセコイアファイルの読み込みで「曲面制御」「ミラーリング」には現在対応していません。メタセコイア側で「曲面・ミラーのフリーズ」を実行してから読み込んでください。

メタセコイアファイルXファイル

「スキンアニメーション付きXファイル(シェア版のみ)」「エルフレイナ拡張モデルファイル」で出力可能

「スキンアニメーション付きXファイル(シェア版のみ)」「エルフレイナ拡張モデルファイル」での出力が可能です。もちろん複数のアニメーションを登録することができます。

ラクチン、ボーン作成モード

このソフトではボーンの作成を行うことができます。ボーンは非常に簡単に作成でき、親子関係もマウスでビューをクリックするだけで簡単に作成できます。大まかに作成した後にちょこっと微調整すれば完成です。

ボーン作成モード

「頂点ウエイト」で簡単にボーンとモデルの頂点を関連付け

頂点ウエイトボックスと呼ばれる範囲ボックスを使って、各ボーンがモデルのどの範囲の頂点に影響するか簡単に設定することが出来ます。  モデルの頂点に直接設定しない方法なので、例えば、モデリングソフトで頂点などを移動したり増やしたりしても、エルフレイナでの余分な編集が増えることが少なくなります。  また、ボックスはモデルと独立しているので、人モデルなど近い形態であれば、単純にモデルを置き換えるだけで別のキャラクターのアニメーションをすぐに行うことが出来ます。

ボーンウエイト

頂点にボックスが複数重なった場合は、自動的に滑らかなブレンドが出来るようになっています。  また、ボックスは分割数を決めたり、自由に変形させることが出来ます。

自動頂点ウエイト割り当て

基本的に頂点ウエイトは、ボックスを使用した明示的な指定方法がありますが、ボーンのみから算出される自動頂点ウエイトを使用することが出来ます。  方法はボーンを作成するだけです。後は自動的にボーンの位置と頂点の位置からウエイトが計算されて、そのままアニメーション編集に移ることが出来ます。

ボーン作成 そのままアニメーション
ボーンを作成したら、そのままアニメーションへ

リアルタイムアニメーション

パソコンのスペックにかかわらず、現実時間と同じスピードでアニメーションできます。例えば、1秒間に60fps で動作するパソコンと、1秒間に15fps しか動作しないパソコンでも、1秒後には同じ姿勢になっています。

※FPS とは
 「Frame Par Second」の略。1秒間に何回画面更新を行えるかを示す単位。

アニメーションパラメータは「平行移動」「回転」「拡大縮小」

通常3Dアニメーションソフトにある「平行移動」「回転」はもちろん「拡大縮小」アニメーションも可能です。

平行移動 回転 拡大縮小
平行移動、回転、拡大

UVアニメーション (シェア版のみ)

UVアニメーションとは、ポリゴン自体を動かすのではなく、テクスチャーを移動させることにより可能なアニメーションです。  ポリゴンの移動では不具合が出る処理を、テクスチャーの位置を変えることにより、あたかもポリゴンが移動しているかのように見せることが出来ます。  また、テクスチャーの描きこみ方によってはおもしろい処理も可能です。

UV移動前 UV移動後
目のポリゴンを移動させているように見えるが、テクスチャーを移動させて動いているように見せています

アニメーションの開始、停止を滑らかに表現

例えば、「歩く」の動作にしてもキャラの停止状態から突然歩く動きに変わったり、突然直立状態で停止したりする場合があります。このソフトではその現象を回避するパラメータを用意しているので綺麗な動きを表現可能です。

期待のマルチアニメーション

アニメーション付きXファイルでおなじみのマルチアニメーションが可能です。例えば足だけを動かす「歩く」と直立で「手を振る」を同時にスタートさせると「歩きながら手を振る」アニメーションが出来上がります。(例として下の図を参考にしてください)

初期姿勢で元モデルデータに依存しない姿勢からのアニメーションが可能

初期姿勢を使用することにより、モデルデータの姿勢に依存しないでアニメーションデータを作成することが出来ます。  例えば、下の図のように複数のアニメーションをブレンドするときにとても効果的です。

初期姿勢を使用しないとき 初期姿勢を下のようにしたとき
初期姿勢を使用しないとき ← → 初期姿勢を下のようにしたとき

下の二つのアニメーションをブレンドすると
上を向く両腕を組む
上を向く + 両腕を組む

変な形綺麗にブレンド

腕のアニメーションがブレンドしてしまい変な形に ← → 綺麗にブレンド

扱いやすいインターフェース

モデルの大きさや表示の拡大に関係なく、ボーンやマニピュレータの大きさがスクリーン比に合わさるため、マウスでの操作が非常に楽になります。

インターフェース farインターフェース near
ボーンの太さや軸の大きさがモデルに対して変化しています

操作しやすい正射影ビュー

通常は奥に向かうほどものが小さく見える「遠近射影」で表示されいますが、この場合、見た目はいいのですが、グリッドに位置を合わせるのが非常に難しいです。  そのために用意されたのが「正射影ビュー」です。下の図のように遠くのものも小さくなったりしないので、平面図のように正確に位置を設定しやすくなります。

遠近射影正射影
左が「遠近射影」、右が「正射影」

高度な「元に戻す」機能

「新規作成」「プロジェクト読み込み」以外のほとんどの操作に対して「元に戻す」「やり直し」機能が使用できます。最大回数はディフォルトで100回ですが、メモリがあるなら必要に応じて回数を増やすことができます。 ※環境設定など直接モデルに関わらない変更は除きます。

複数のボーン同時操作

通常一度に動かせるボーンは1つというのが多いですが、このソフトでは選択された複数のボーンを一度に操作できます。回転もそうですが、移動や拡大なんかも同様に可能です。

同時操作
足を同時に回転させています

IK, FK によるボーンの回転

モデルアニメーションソフトで使われることが多い「IK」「FK」によるボーンの回転操作が可能です。ボーンや軸を直接クリックして直感的に回転するパターンと、マニピュレータを使用して正確な回転を行うパターンがあります。どの方法でもボーンを回転できるので好きな方法を選ぶことが出来ます。

IK, FK による回転
マニピュレータも「ワールド」「ローカル」「パレント」から回転方法を選べます

複数のキー補間計算

キーとキーの間の姿勢を決めるための補間計算方法をアニメーションごと、かつボーンごと、指定できます。

  • 線形補間
  • ステップ補間
  • (3次)スプライン補間
  • ラグランジュ補間

作成ヘルプウィザード

インターフェースが複雑なソフトを初めて触る人は大抵「何からはじめればいいか分からない」「どういう手順で操作するか迷う」と感じてしまうことが多いはずです。  このソフトでは起動時に「作成ヘルプウィザード」が同時起動し、サンプルを通して作成する手順を順番に分かりやすく説明してくれます。

作成ヘルプウィザード

ウインドウも小さいのであまり邪魔になりませんし、もういらなければ次回以降起動しないようにすることも出来ます。  (作成ヘルプウィザードは多少起動に時間がかかる場合があります。)