東北・みやぎ復興マラソン2023にランナーとして参加してきました
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先日11月5日(日)に開催された東北・みやぎ復興マラソン2023にランナーとして参加し走ってきました。 ここに書いている内容は人に見せるというよりかは自分用の日記みたいな形で書いてます。 大まかな内容としてはマラソンへの応募、準備期間、当日のマラソンの内容をまとめています。
※以下のバナーは公式サイトへのリンクです。
マラソンに参加しようとした経緯
まずこの大会に参加しようとした経緯の前にこの大会を知った経緯ですが、テレビの CM で当マラソンの開催とエントリーについて放送していました。 最初のころは「ふーん」程度で見ていたんですが、 何か特別なきっかけとかあったわけでもなく「今の自分だったらどれくらい走れるだろうか」とふと思ったことから応募してみました。 とりわけそれ以外に走ろうと思ったきっかけはなかったと思います。
でもこの決断に至ったのは結構遅く、応募したのはレイトエントリー期間の8月ごろでした。
準備期間
準備したもの
さすがに本番前に準備を一切しないというのはないと思ったのでまずは走るのに必要なものを揃えてみました。 ネットで調べてみたところ必要なものがいろいろあるようなのですが、 本当に全部必要なのかどうかがわからなかったので必要そうなものを最低限揃えてみました。
今回新たに買ったものは以下のものです。
- ランニングシューズ
- 半袖シャツ
- ハーフパンツ
- ソックス
- ランニングボトル
- ウェストポーチ
- 補給食
「スマフォ」「バッグ」「タオル」はすでに持っているものを流用しています。
ほかに「マスク」「キャップ」「サングラス」「アームカバー」「カーフスリーブ」「ランニングウォッチ」などあるようでしたがなくても困らなさそうだったので買いませんでした。
ランニングシューズは一万近くのそこそこいいものを買いました。 今回用意するものの中では最重要アイテムなので多少は奮発しています。 靴が悪くて足を痛めたら元も子もないですからね。
今までこういったランニングシューズは履いたことがなく、初めて履いた時は二段ジャンプできそうなぐらい軽くて驚きました。走る時も「跳ねる」という表現がぴったりなくらいビョンビョン跳ねる感じでした。サッカーのスパイクシューズとは明らかに違く、走るために作られた靴、という感じがしました。
「半袖シャツ」と「ハーフパンツ」は adidas の専門店で買いましたがなんとなくサッカーユニフォームっぽくなってしまいました。 ハーフパンツは少しでも物を多く持てるようにポケットが多いものにしましたが最終的にはあまり使いませんでした。 上も下も運動に適していればなんでもいいと思います。仮装して走る人もいるぐらいですし。
「ウェストポーチ」はランニング用のものを買ったので意外と入れられる容量は少なかったです。 入れられるものはランニングボトルとスマートフォンと小物が少しぐらいでした。 まああんまり物を入れても走る時に邪魔になると思うのでこれぐらいがちょうどいいかもしれません。
「ランニングボトル」は走っている最中に水分補給をするための水などを入れるボトルです。 先にウェストポーチを買ってたのでそちらに入るサイズとして 250ml を買いました。 結構少ないと思われるかもしれないですが、500ml だと走る上で意外とでかいので 250ml でも十分です。 途中でなくなったらエイドステーションで補給すればいいだけです。
「補給食」は一般的に飲むゼリー系が多いですが今回は個包装の固形食をウェストポーチに3個ほど入れていきました。
練習開始
おそらくランニング経験者からしたら怒られると思いますが、実際に練習を始めたのは1か月前の10月からでした。 これ以前に何らかの運動をしていた、ということはありません。 ネットの記事や動画で調べてみる限りでは3~6か月前ぐらいから始めるのが普通っぽいです。 当時はそこまで調べていなかったので何も考えずに始めました。
そして慢心からの悪夢
初日は靴の軽さも相まって家の近くでガンガン走っていました。 学生時代は運動部だったこともあるので不足している体力は十分戻せると思っていたし、走っているときに体力や足の筋肉に限界が来そうになった時も精神的に乗り越える感覚も実際残っていました。
しかし、何日かすると足に違和感を感じてきました。日に日に「今日は軽めに走って終わりにするか」という日が増えていき、最終的には両膝に痛みを発し歩くだけでも支障が出るほどになってしまいました。 筋力や体力はどうにかなると思ってましたが膝のことは一切考えてなかったので完全に慢心でした。
膝対策
このまま練習を続けると本番に走れなくなってしまうのでなんとかしようと考えました。 休むのは前提としてふと頭に浮かんだ「膝サポーター」を買うことにしました。
いろいろ調べてみましたがどのメーカーがいいのかとかどの種類のサポーターがいいのかなどさっぱり分かりませんでした。 記事に詳しく書いてあったとしても実際につけてみないと効果があるのかどうか分からないし、効果がなければ無駄になってしまうかもしれません。 それでも何もしなければ何も効果が得られないのでまずは買ってみました。
最初に買ったのは「ザムスト RK-2 (ヒザ用サポーター 左右兼用)」でした。 配達に五日ほど待って満を期して装着してみましたが、大きいサイズにもかかわらずとてもきつく、正直着けていようと思えるものではありませんでした。 さらにいうとこれを買ったとき両足分あると勝手に思い込んでいたのですが実際には片足分だけでした。まあこれは確認不足です。 本来サポーターはきつくあるべきものだと思うのですが、手軽に脱着できない時点で候補から外しました。 実際1回だけ着けてあとはお蔵入り状態になっています。
次に買ったのは「ザムスト FILMISTA KNEE (ヒザ用サポーター 左右兼用)」でした。 前のやつとメーカーは同じですが、こちらは履くタイプではなくマジックテープで装着するタイプなので手軽に脱着できます。 時間もなかったのでこちらは試さずに2つ同時に買いました。 効果はあるような無いような正直分かりにくかったですが一応本番までこれを使うようにしていました。
体力づくり
さすがに膝が使えないからといって何もしないというものまずいかなと思ったので最低限の体力づくりを行うようにしました。 といっても走ることはできないのでそれ以外で何かないか探していたらトレーニングルームにいろんな機器があることを知りました。 そんなに近くはなかったですが1回ごとに料金を払うシステムだったので利用してみることにしました。
ランニングマシンはあるのですがもちろん膝に負担がかかるのでそれは使いませんでした。 ほかにいろんな機器を試してみた結果「クロストレーナー」「ステップマシン」「フィットネスバイク」あたりが膝に負担がかからない感じでした。 「フィットネスバイク」は膝を深く曲げる動作が多く少しきつかったのでメインは「クロストレーナー」を使ってました。
残り半分ぐらいの機器は筋トレ用だったのでちょっと時間が余った時に触ったぐらいです。
ちなみにトレーニングルームは毎日は使わずペース的には二日に一回ぐらいの割合でした。 これを本番前までやっていたので結果的に本番までランニングの練習はほぼ行いませんでした。 多分一番走ったのは初日に2~3kmぐらい走ったのが最長だと思います。
そのかわり膝を極力休ませていたおかげで本番前1週間ぐらい前には歩く時の膝の痛みはそれなりに減っていました。 ただ走ったりすると再度悪化しそうで怖かったです。実際少し走ったりしてみましたが膝の痛みや違和感は残ったままでした。
本番前日
本番に向けて調整する日だと思うのですがいつもの生活から特別何か変えたということはありませんでした。 少し早めに寝たのと10分ぐらい軽く歩きと走りをしたぐらいです。 もちろん明日必要なものの準備はしています。
マラソン当日
会場までは徒歩と電車で移動しました。 途中軽めに走ってみたりもしましたが、やはり若干膝の違和感は残っている状態でした。膝をねじるような動きが一番ダメージが大きいように思えます。
仙台駅から会場に向かう途中は明らかにこれからマラソンをしに行きます、っていう格好の人が結構歩いていました。 こういうのを見ると気持ちが高ぶる感じがしました。分かる人は分かると思います。
スタートは 9:10 ですが1時間前ぐらいに会場に到着しました。 到着してから結構歩いたり、荷物預け、着替え、順番待ちなどがあるので余裕をもっていったほうがいいと思います。 実際会場は写真の様にごった返し状態になります。
スタート
今回1万人以上の人が参加しているため、どうやってもよーいどんで同時にスタートすることはできません。 そのため人をブロックごとに分け足の速い人は先頭のAブロック、その次に早い人はBブロックと順番を決めてスタートする形をとっています。 遅い人が速い人の邪魔にならない仕組みですね。この仕組み自体はほかのフルマラソンでも適用されています。
私は今回初参加ということで完走予定時間がわからなかったので6時間として設定しました。なので一番後ろのMブロックからの開始となりました。 実際スタートしてMブロックの人たちがAブロックの位置まで来るのに6分程度はかかったと思います。 記録を狙っている人にとっては若干影響がでるかもしれませんが、そもそも後ろの人たちは記録を狙う人たちではないのであまり問題にはならないかと思います。 ただ途中途中にある関門と呼ばれる閉鎖時間には影響する点には注意してください。
スタート直後先頭の人たちは普通に走り出すのですが、後ろのほうは徐々に前に進んでいく感じなので基本的には徒歩でした。 ようやく継続的に走り出したのはスタート地点を少し過ぎたあたりだと思います。
1km が意外と長い
走り始めてからの膝のほうですが、これまできちんと休めたり無駄に自転車を漕いでいたおかげで割と調子よかったです。 これまでちょっと走っただけでも膝に違和感があったのですが、スタートのスピードも遅かったおかげか走れるイメージができて正直運がよかったと思います。
普段生活している中でも 1km は普通に歩いたりする距離だと思うので大した距離ではないと思うかもしれませんが、 走るだけが目的で走っていると意外と距離を長く感じます。 1km 走るごとに看板が出てくるのですが特に 2km,3km,4km と進んでいくごとにその長さを感じてきます。 体力や膝、足の筋肉に不安がありましたが、全体的にスピードが遅かったので無難に乗り越えることができました。 仮にスピードを速めて前に抜けたいと思ってもこの段階では団子状態なので前に抜けるのは難しいのですが。
2~3km ぐらい入ったところでテレビ中継に来ていた「かのおが便利軒」の2人(狩野英孝、尾形貴弘)がいました。
そこそこ走ったと思ったのに「まだ 3km?」って思ってました。前半はこんな感じがしばらく続きます。
徐々に膝に影響が出始める
最初は何とかなりそうと思ってましたがやはり 4~5km あたりになってくると膝に痛みが出始めてきました。 今までは右膝のほうに痛みがあったのですが今回は左ひざのほうの痛みが強く出ました。 おそらく右足をかばう形で走っていたのでその影響かもしれません。 4~5km というのは練習ではまったくやったことはないのでここから先は走るとどんな感じになっていくのかは未知の領域でした。
5km 付近と 9km 付近には高低差のある橋があるのですが、そこは上り下り共に膝の負担を考え歩くようにしました。 やはり平地とは違い膝への負担がどちらも強いので膝が壊れて走れなくなってしまうよりかはいいかなと思いました。 まだ団子状態だったのでそこそこ抜かれはしましたが、走ってる間にある程度の人数は抜かしていたのでそこまで遅れをとってしまう状況にはなりませんでした。
6km 付近。長い直線が始まり、膝の痛みも含めて不安になり始めた場所です。
9km 付近の橋です。まだ人がたくさんいるように見えますが、周りはある程度間隔が空いている程度にまばらになっています。 最初に比べると前後の差が広がっている感じです。
10km 付近です。橋などは歩いていたのである程度休めてはいるのですが、さすがに負担が積み重なりいったん止まって休みたいという気持ちに駆られてきました。 実はこの後写真をあまり撮っていません。ここまでは 1km あたり10枚ぐらいは写真を撮っていたのですがこの後一気にピンチに陥ってしまったためです。
悪魔のトイレ待ち時間
11km 付近に5つ目のトイレポイントがあり大して緊急ではなかったのですが若干尿意がありました。 別にそのまま走っても問題ないレベルだったのですが、なるべくすっきりした状態で走りたかったのと、そろそろ足を休ませたいという思いがあり トイレ休憩することにしました。これが悪夢の始まりでした。
男子トイレはほかの箇所に比べて一番多く5つ設置されていたのでそこまで時間はかからないだろうなと思い並んでいたのですが 思いのほか人が並んでおり結果的に10分以上並んでいたと思います。 それもあり並び始めたタイミングでは団体の中でマラソンをしていたはずなのですが、トイレから出てきた後のコースにはほとんど人が走っていませんでした。 完全に出遅れ状態となってしまったわけです。
これの何が問題かというと、フルマラソンではコース中にいくつか「関門」というものがありそこに制限時間内に到達できないと失格になってしまいます。 一般道路を封鎖してマラソンしているのでいつまでも封鎖するわけにはいかないというわけです。 なのでたらたら歩いたり走ったりしていると関門に引っかかって完走ができなくなってしまいます。
トイレ待ちしている間も周りの人が「結構ギリギリじゃね?」「それなりに走れば何とか間に合う」という会話をしていたり、 道路の人がだんだん少なくなっていくのを眺めていてとても不安になってきました。
トイレ休憩が終わり休んでいた分足の状態が若干回復しましたが、逆に休みすぎて走った時の負担のギャップ差で結局効果があまりなかったように思えます。 持論ですが足を回復させたい場合は止まって休むよりも歩きながら回復させたほうがいいような気がします。歩けばその分だけ多少距離は稼げますし。
そして人がほとんどいなくなっただだっ広い道路を走り続ける心細いマラソンが始まります。
第3関門を抜ける
1人また1人を抜くという走りをしつつも、もし関門に間に合わなかったらもうそれでもいいかなと思い始めていました。 正直膝の状態も悪いし完走できるとは思えませんでした。このあたりからはずっと走る、という状態ではなく走りと歩きを半々ぐらいで進んでいました。 周りの人も割と似たような感じになっており、パフォーマンスが落ちて団体から置いていかれた感じになったのではないかと思います。
ちょうど第3関門前にあるT字路で折り返してきた人がそれなりにいたので「もしかしてもう少し頑張ればこの団体に追いつけるんじゃないか!?」 って思ったのですが、実際には折り返し地点は結構先で喜んだのは束の間、結局人の少ない側の道路を延々と走るだけでした。
そして折り返し後の運命の第3関門。制限時間は 11:10 に設定されていましたが、ここを抜けたのは大体 11:07 ぐらいでした。 まあなんとかギリギリ抜けた感じですが、折り返した後の反対側の車線にはほとんど人がいなくなり、 そして時間切れになった人たちを収容するバスが走っていました。 なんか進撃の巨人やデモンズウォールが後ろから迫ってくる感じでちょっと恐怖でした。 もちろん関門に間に合わなかった人はこのバスに収容されます。
ちなみにこの折り返し地点の風景は以下の Youtube で見られます。1位のランナーから最後の第3関門で収容されなかったランナーまで見ることができます。 この時点で1位と最下位の差は1時間20分ありました。
ハイモードで切り抜ける
10km 以上走り痛みや疲れが高まってくると感覚がおかしくなっていきます。 どういう感覚かというと例えば膝が痛くて走れないはずなのにその痛みが「当たり前」という状態になるのです。 そのため痛みがある状態のまま普通に走れるようになります。 ただし「膝が壊れた」「足がつった」などの症状を発した人は明らかに走れる状態ではないのできちんと対処してください。
この感覚のおかげで歩いてる状態から走り始めたときに「このまましばらく走り続けられそう」という謎感覚になることがあります。 この状態のことを私は勝手に「ハイモード」と呼んでいます。スペック的な「ハイ」ではなく「ハイテンション」のほうの「ハイ」です。 スペック的なほうは残念ながらマラソンにおいて途中から上がることはありません。
スポーツをやってる人で極限まで走りこんだり動いたりしたことがある人ならこれに近い感覚を持ったことがある人もいるかもしれません。 ただあくまでも個人的な感覚なのでこういう状態が普通にあるのかどうかはよく知りません。 まあそもそもこういう状態にならないように前もって練習をすべきだとは思うのですが。
とまあこの感覚を利用して走る時間をうまく確保し、体力が減ってきたら歩いて回復しつつ距離を稼ぐというのを繰り返してなんとか前に進んでいきました。 13km あたりから 26km あたりまではほぼ直線で見渡しがよく、割と歩いている人や走っている人たちがよく見えたので不安な感覚は少しなくなりました。 ペース的にも人を抜けるスピードで走れていたのである程度余裕は出てきました。実際第4関門では 12:07 ぐらいについたので 13 分程度余裕は確保はできました。
少し余裕がでてきたので 20km の写真を撮りました。記念に撮ってる人もそこそこいたようです。 ここまで写真を撮っていなかったのですが、人はもうかなりまばらだというのがわかるはずです。
第4関門の写真です。
だめだと思いながらもようやく半分まで走ってこれました。
しかし疲労は蓄積し歩いても回復しきれなくなってきました。 さらに足の筋肉の疲労については多少自信があったためここまで問題はなかったのですが、時折ふくらはぎがつる直前の状態になったりし、走れる時間がだいぶ減ってきました。 次第に関門を進むごとに残り時間が減っていきます。
無心
長い直線も終わり疲労も極限まで蓄積しだいぶ歩く時間が長くなってきました。 ハイモードもほぼ使えなくなり「膝の痛み」「腕のしびれ」「足のつり」「全身の疲れ」あらゆるものがのしかかって前に進めなくなってきました。 「腕のしびれ」というのは走ってる最中に腕を何度も上下させていると神経が伸びきってしびれることです。肘の隙間にものをぶつけたときに腕がしびれる感覚に似ています。 そしてさらに追い打ちをかけるかのように「折り返し車線」に入り折り返してきたランナーが続々と反対側を走ってきてプレッシャーをかけてきます。 しかも2回目の折り返し車線は1回目の倍あるため相当な距離を走らされます。
そこで「ハイモード」に代わりさらに走り続ける秘策として「無心」で走るように実践してみました。 どうするかというと「何も考えない」「下を見ながら走る」「周りを見ない」というものです。 これによって周りの影響を受けずに完全に自分のペースで走ることができます。抜いた抜かされたも一切気にする必要はありません。 楽しみながら走る、という視点から見ればどうなのかな思うかもしれませんが、正直限界に近い状態なのでもうそこまで思考が回らないので仕方がありません。 ここまでくるとさすがに完走したい気持ちが強まり、逆に関門の締め切りに対しての不安が大きくなってきます。
ちなみにここからはもう写真を撮っていません。もう余裕がなくなってきたためです。 実際第7関門では残り時間が6分ぐらいだったと思います。正直ほとんど覚えていません。 折り返した後、反対車線から例のバス部隊が走ってきたのを見た覚えはあります。
すべてに耐え抜く
「最後は気持ちで走った」なんて言葉をよく聞くと思いますが、実際そうだったと思います。 残り時間と距離を考えると歩ける時間と走らなければいけない時間というのがなんとなくわかってきます。 正直残りは全部歩きたい気持ちだったのですがそうなると完走できないのでやはりある程度走らないといけません。 最後ラストスパートをかければそれまで歩いても大丈夫かなと思ったりもするのですが、 どうしても今の状態でラストスパートを掛けられるイメージができなかったのでとにかく少しでも走ろう少しでも走ろうと考えながら進んでいきました。
例えば最初は前にいるオレンジの服の人のところまで走ろう、次は緑の服の人のところまで走ろうと目標を小分けして進みました。 距離を稼げずに結局完走できませんでしたという結果になる不安がかなり大きかったので可能な限り走るようにしました。
実際第8関門では残り時間4分でしたし、係員の人が「残り〇分で閉まります!」っていう声が2分とか1分とかに聞こえて超焦って走ってたりしました。 本当に心臓に悪かったです。
残り 6km、5km と看板はでるのですが、恐ろしいほど長く感じました。普段なら 1km 詰めるのはなんてことないのですが かなりの時間をかけて走ったのにやっと 1km 進んだ、と感じるほどです。距離の測定間違えてるんじゃないかととも思ったりしていました。
ちなみに走ってる途中は時計は一切見ませんでした。 基本的には関門でしか時間は見てなかったのでその間の残り時間とは基本的に想像で考えていました。
タイトルはあえて書かない
タイトルを書くと目次で結果がばれてしまうのであえて書いてません。 一応結果を言うと完走はしました。結果は6時間20分付近でした。制限時間は6時間30分なので10分前に完走です。
ゴール前 1~2km の地点で隣で走っていた人が見てた携帯をちらっと見たら時間が 15:23 と表示されていて「終わった」と思ってしまいました。 マラソンの制限時間が6時間30分だったのでずっと終了時間が 15:30 だと思ってました。 後でよくよく考えてみたらマラソンの開始時間が 9:10 だったので実際には締め切りは 15:40 でした。 ゴール前でサヨナラは嫌だったので「終わった」と思いながらめちゃくちゃ走りました。(でも結局体力なくて途中は歩いた)
今回マラソンに応募したタイミングでは「完走」を最低限に、膝を痛めてマラソンを走る前までは「完走」を目標としていましたが 正直走ってる最中は完走できるとはほとんど思っていませんでした。 完走を意識しだしたのは第6関門をすぎたあたりだと思いますが、ゴール前の出来事も含め結局最後まで半信半疑で走り抜きました。
でも結果的に完走できたのはよかったと思います。 前半でバス送りにされたなら諦めはつくのですが、ゴール近くでバス送りにされたら「あと少し頑張ればゴールできたのに」と悔しい思いをしていたに違いありません。 ここまでいろいろ問題はありましたが、努力次第で走りきることができるということは実感できました。
ちなみに下の写真は完走賞としてもらったものです。
ほかにもいろいろもらいましたが、これは完走した人だけがもらえるのか参加した人すべてがもらえるのかよくわかっていません。
現在
この記事を書いているのが大会から2週間後なのですが、さすがに翌日、翌々日はほとんど動けませんでした。 まあ事前に休みを取っていたりテレワークにしていたのでほとんど問題はなかったのですが。
筋肉痛は1~2日程度で完治はしましたが、膝の痛みはいまだにとれていません。 状態としてはマラソン前の練習で痛めた状態に近いと思います。 一応歩くことはできますが、痛みはまだあるので運動はあれ以来まったくしてない状態です。
今後
今回フルマラソンに参加した理由が今の自分ならどれぐらい走れるだろうかという確認だったので、 次もマラソン大会に出よう、という思いは特にありません。 もしかしたら今後気持ちが変わってちゃんと練習して参加しようと思うことがあるかもしれませんが、 どのみち今は体を完治させないとどうもこうも動けないので、しばらくは様子見すると思います。 まあせっかくトレーニングルームに行ったりしていたので適度に通うことはあるかもしれません。 いろいろ服とか靴とか買ったわけですし。
初めてだけどフルマラソンを走ってみようか思っている方へ
ここまで読んでくれた方ならフルマラソンはどれぐらい大変であるかはわかっていただけたかと思います。 もし参加して走ってみたいという方はとりあえず以下の点を守ったほうがいいかなと思ってます。
- マラソン大会に応募する前にまずは自分の力量を確認するためにある程度走ってみる
- 本当に参加できる力量があるかどうかを事前に確認できる。無理そうなら応募しなければいいだけ。
- 一度応募してしまうと参加費が返金できない可能性が高いのでやっぱりやめようと思ったときにもったいない。備品も必要なのでいろいろ無駄になる。
- 普段走ってないなら大会6か月ぐらい前からジョギングレベルでも始める
- 練習をするときは軽度な練習量から始める。いきなり全力で始めると体を壊すかもしれない。体を壊すと相対的に練習量が減ってしまう。
- 練習の段階で1度はフルマラソンに近い距離を走ってどんな感覚か知っておくとよい
- 最も負担のかかる箇所は足。靴はマラソン専用にそれなりにいいものを選ぶ。
- 順位が後ろだとエイドステーションでドリンクがなくなってる時がある。念のため 100ml ぐらいでもいいので補給用ドリンクは持ってたほうがよい。
- トイレは必ず走る前に済ませる。マラソン中で緊急の場合は仕方ないが、トイレを使用する場合は中盤以降なら待ち時間はほとんどない。
- 前半は待ち時間が多くなるし、速く走って時間を確保することも難しいので時間制限にかなり影響する